はじめに
操作動画にBGMを入れる目的は、単に「曲を入れる」ことではありません。音が加わることで、視聴者の集中と理解を促進することができます。ここでは、BGM挿入の一般的なポイントと、私自身が実際の制作で行った工夫を紹介します。

一般的なBGM挿入のポイント

1. 動画の目的とトーンに合わせる
操作動画では、情報理解が主目的です。BGMはあくまで「補助的な存在」として、利用します。
明るく軽快なBGMは操作手順をテンポよく見せたいとき、静かなピアノ系BGMは落ち着いた印象を与えたいときに適しています。

2. 導入・切り替えに合わせる
視覚的な変化に音が連動することで、動画全体にリズムと一体感が生まれます。

  • 導入のタイトル表示にBGMの最初の音を合わせる
  • 場面やシーン転換時のモーション(アニメーション)やフェード、スライドに合わせて、BGMの効果的な音をタイミングを合わせて配置する
  • 場面の目的(導入、本編、まとめ、エンディング)とBGMのセクション(Aメロ、サビなど)やリズムを同期させる

こうしたタイミングや効果の一致は、「見ていて気持ちいい」体験を作る重要な要素です。

3. BGMの感情誘導効果
BGMには、視聴者の感情を動かす働きがあります。落ち着いた曲調は安心感を、アップテンポな曲調は高揚感を与えます。

このようにBGMが感情に影響を与える作用を「感情誘導効果」と呼びます。感情と結びついた記憶は残りやすく、限られた時間の中でもBGMが言葉では伝えきれない印象を補い、動画の印象を強めます。

実際に行った工夫とポイント

1. 音の「効果的な部分」を映像に合わせる
実際の制作では、音の印象が最も強く伝わる導入場面において、場面が切り替わるモーションに合わせてBGMの効果的な音を合わせました。

2. BGMの尺を調整してつなぐ
BGMが動画より短い場合、そのままループすると違和感が出ることがあります。そこで私は、曲の16拍ごとに区切り、曲のセクション(Aメロ、サビなど)構成を崩さないように編集して繋ぎ合わせました。

・曲の構成(Aメロ+Bメロ+サビ+大サビ+サビ)を再構成する
・フェードアウト前に曲の一部をリピートし、自然に終わるように調整
・16拍単位でテンポが合うよう波形を見ながらカット・編集
これにより、全体の動画の統一感を維持したまま尺を延ばすことができました。

音の構成・演出設計(テンポ・リズム・音色)

1. テンポを少し速めて飽きさせない
操作動画は映像で説明だけを一定のテンポで進行すると単調に感じられ集中力が途切れがちです。
そのため、BGMのテンポをほんの少し速めに設定し、軽快なリズム感を保つことで、視聴者の注意を自然に維持しました。

2. アコースティック音で安心感を演出
操作動画では、視聴者が「安心して見続けられる」ことも大切です。
そのため、アコースティックギターやピアノなどの自然な音色を選び、電子的すぎないナチュラルなサウンドをベースにしました。
今回制作した動画の視聴者は先生や保護者であったため、自然な音で“安心できる”印象を与える設計としました。

3. 繰り返し構成の中に“変化”を加える
BGMのメロディやリズムパターンは基本的に一定ですが、長時間の同一ループは単調になりやすいため、曲の途中で変化がある曲を選曲しました。
・同じメロディーでも楽器(音色)の変更や重奏、音量の強弱がある
・途中でメロディーの切り替わり(大サビなど)がある
こうした要素により、変化を感じながらも動画に集中し続けられます。

実際の成果物

導入時の映像と音の同期/曲中の音色の変化による感情誘導効果
導入時の映像と音の同期/動画の尺に合わせたBGMのカット、編集

まとめ

BGM挿入の目的は映像と一体になって集中と理解を支えることです。
テンポ、音色、リズム、映像との同期を調整することによって、感情的な刺激を与え記憶定着をサポートする効果があります。

※実際の動画ではライセンス取得したBGMを利用しています


参照URL

YouTubeでよく聞く効果音を入れる方法と注意するポイント
https://video-b.com/blog/ve/swf-07-0018/?utm_source=chatgpt.com

動画制作でBGM・音楽を選ぶコツは?著作権フリーの素材サイトもご
https://media-hakase.com/column/article/page_479.html?utm_source=chatgpt.com

用途に合ったBGMの選び方と具体的な使用例|動画編集スクールFURWA
https://furwa.co.jp/specialty/video-background-music/?utm_source=chatgpt.com